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2024.05.14
面接を受ける
面接前にチェックしておくべき質問と回答例~転職エージェントが解説!~
転職の面接準備で時間をかけて行うべきことは「転職理由」「志望動機」「自己PR」の3点です。そしてこの3点を、自分と応募先企業の「接点」を意識して準備することが大切です。
恋愛でも「あなたの顔がスキ!」と言われるよりも、「アクティブに過ごすことが好きで、あなたといったデートが楽しかったから、もっと一緒の時間を過ごしたい」と言われる方が説得力があると思います。「自分のことだけ」でもなく、「相手の長所だけ」でもない、自分と企業の「接点」を意識して面接の準備をしましょう。
また、新卒での就活と違い、中途採用では配属先が明確であり、一緒に働く人が面接官として登場することが多いです。一緒に働く人、という前提で相性をしっかり確かめましょう。
目次
転職面接のよくある質問と回答のポイント
では、転職の面接でよくある質問にはどんなものがあるのでしょうか?また、よくある質問には面接官のどのような意図があるのでしょうか?回答例と合わせてご紹介します。
自己紹介
回答のポイント |
最初の自己紹介は、今日伝えたい内容の要約です。面接官が「もう少し詳しく聞きたい」と思えるくらい簡潔に、1分程度、長くても3分以内で話しましょう。
面接官の方は、事前に履歴書・職務経歴書に目を通していることがほとんどです。その上で自己紹介を求める意図としては、「場の雰囲気をつくること」や、候補者であるあなたの話し方などを見て、どのような方なのかな、と人柄を見るためです。
基本的には、まず名前を名乗り、経歴の概要をお話ししましょう。
自己紹介で経歴を話すときには、すべてをまんべんなく話すのではなく、面接官にあとから聞いてほしいな、と思うポイントを強調するようにしましょう。
またその時に一言、活かせそうな経験や、受けている企業に関連のある部分で、企業に興味を持ったきっかけを伝えましょう。志望動機にもつながり、アピールポイントになります。
例えば、「実は営業先の業界は●●業界を得意としており、この経験が貴社で活かせるのではないかと思いました」「このプロジェクトが●●業界を知るきっかけとなり、貴社事業にも興味を持ちました」などです。
あくまでも、自己紹介ですべてを話すのではなく、面接官に「もう少し聞きたいな」と思ってもらえるよう、簡潔に話しましょう。
転職理由に関する質問
回答のポイント |
企業が転職理由を質問する意図は、「すぐに辞めないかどうか」と「転職理由から見えてくるお人柄」を見ています。
「すぐに辞めないかどうか」は例えば「異動になったので退職」と伝えた場合は、「当社も異動はあるんだよな・・」と思われてしまうかもしれません。ところが、「異動になって配属先部署での休日出勤が毎週のようにあり、働き方が大きく変わったので退職」とより具体的な説明をすると、「当社では休日出勤はないし、異動があったとしてもそこまで働き方が大きく変わることはないから、当社であれば大丈夫そうだな」と、面接官も納得できます。
「転職理由から見えてくるお人柄」については、「他責にしないか?」「周りの人とどういう人間関係を築いてきたのか?」というような観点です。
同じ話でも面接官によっては「それは大変だったね!」と捉えられるかもしれませんし、「そのくらいで辞めてしまうの?」と捉えられるかもしれません。
上記2点を踏まえると、転職理由は、「それは当社でも同じだよ」と言われた場合、「それであれば辞退する」と判断ができる内容であれば後悔がないと思います。
本当の転職理由を隠し、「業界の将来不安」など当たり障りのない回答をしてしまうと、面接官からは「この候補者は転職に何を求めているのかよくわからないな」と思われてしまいます。自分が納得感を持って転職先を決めるためにも、転職理由は正直に伝えましょう。
ただ、正直にといっても、面接の場にあった伝え方はありますので、キャリアアドバイザーに相談してみてください。
また転職理由は、「だから御社に入りたい」という志望動機にストーリーとしてつながることがベストです。
そのため、
ポジティブ(希望)
↓
ネガティブ(転職のきっかけ)
↓
ポジティブ(希望・転職目的)
という流れで話すことをお勧めします。
志望動機に関する質問
回答のポイント |
「志望動機」と言われると、しっかり作りこまなければ、新卒の時のように業界研究・職種研究をして完璧に企業を理解しなければ、と難しく考えてしまう方もいらっしゃいます。もちろん応募先の情報をしっかり集めることは大切ですが、面接では知識量や調べた情報の量ではなく、あなた自身が惹かれたポイントとその背景が重要です。「職種」に対する希望でも「業界」に対する希望でも、「特徴的な社風やサービス」に感じた魅力であっても、求人票を見て、惹かれた部分とその背景をしっかりお伝えできれば問題ありません。
前述の通り、転職活動では自分との「接点」が大切です。企業の魅力を調べ、「ここが素晴らしいと思います!」と褒めるよりも、「自分自身は転職にこういう目的・こういう希望を持っている、そして貴社であれば●●ができると考えた」と一本筋が通っている方が、面接官も納得感が高く、入社後に頑張ってくれそうだな、という印象を持たれるはずです。
二次面接、三次面接と面接の回数を重ねるほど、しっかり企業を理解した上で志望していることや志望度の高さを伝えることも大切になります。その際に、その企業の魅力が「自分にとってはどうか」を語れることで、より説得力が高まります。
経験・スキル(自己PR)に関する質問
回答のポイント |
自己PRでも、志望動機と同様、自分と企業の「接点」を意識した回答が大切です。
あなたの「素晴らしい経験をしたエピソード」も、もし応募先ではまったく活かせない経験であれば、アピールにつながりません。企業情報や求人票をよく読み、どの経験、どのエピソードであれば、応募先企業から「当社でも活躍できそうだな!」と思ってもらえるか、という観点で考えましょう。
エピソードを話すために大切なのは、「あなたのことを知らない第三者が聞いても実際に働いている場面をイメージできること」、そして「応募先企業に入ったあとの業務のイメージを持つこと」です。
未経験の業界・職種に関しては話すことがない、と思ってしまうかもしれませんが、未経験の場合も企業はマッチしそうなポイントがあるかを見ています。
例えば、仕事を進める方は、「慎重に正しく丁寧に進めるタイプ」か「とりあえずスピードを優先し、6割の段階で上司に確認して改善をするタイプ」か、人と接するときには、「多くの初対面の人と日々コミュニケーションをとるタイプか」「特定の対象者と深く信頼関係を築くタイプか」といった観点です。どちらが「良い・悪い」ではなく、「この求人に合うか合わないか」が大切です。
普段の人とのコミュニケーション、仕事の進め方でどのようなことを工夫しているか、周りからどのように受け止められたか、などを思い返して、転職先でも活かせそうなポイントを探してみてください。
キャリアプラン、今後の目標に関する質問
回答のポイント |
面接でキャリアプランや今後の目標を聞かれる意図は、「入社後長く勤務いただけるかどうか」です。そして、「目標を持って長く活躍したい」と意欲が伝われば好印象になる質問です。
入社後、配属されたポジションで、こうした成果を出す、こんなスキルを身に着けてから、将来的にはマネジメント経験を積みたい、チャンスがあれば異動したい、というような地に足の着いた回答で問題ありません。
年収、待遇など条件面に関する質問
回答のポイント |
企業が面接の場で、年収の質問をするのは、最終的な提示額を検討するためです。
年収は、今の人事制度での給与テーブルと現状のメンバーとのバランスなどを考慮し決定しますが、現年収や希望年収も考慮されます。
希望条件を質問された際は、現在の年収・最低希望年収・希望年収の3つをセットで回答しましょう。一般的には、現年収を軸に、最低希望は現年収程度、希望年収は現年収+αでもらえるといいな、という金額で回答する方が多いです。
また、未経験の仕事で、もし現年収よりも少し下がってでも、入社したい、という場合であれば、その旨を補足して最低希望年収を伝えましょう。
最低希望年収を現年収より高く伝える場合はしっかりとした根拠が必要です。
例えば、事情があり、現年収は昨年の年収よりも大幅に下がった場合や、寮や社宅、借り上げ社宅などの会社負担分があり、同じ年収提示であっても実質ダウンになってしまう場合などです。
今回の転職の目的が年収UPであり、そうでない場合は転職しない、という場合は、「年収が合わない」という理由で採用見送りになったとしても後悔しない金額で伝えてください。
また、年収アップの交渉をしたい場合、併願企業の提示年収を伝えるという方法もあります。
このあたりの情報は、面接後にエージェントから伝えることもでき、伝え方にも注意が必要なのでぜひエージェントに相談してみてください。
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答えにくい質問にも正直に答えよう
面接では正直に伝えるべきか迷ってしまうような質問がされる場合もあります。正直に伝えられるものは正直に伝えるようにしましょう。
他社の選考状況に関する質問
転職活動を本格的にしている人であれば、真剣に考えているからこそ他社と比較します。企業も基本的に候補者に併願先があることは認識しているため、「併願先がある」と伝えることで、評価が下がることはほとんどありません。
企業が併願について質問をするのは、「併願先とのスケジュールを揃える」、「比較軸を知り、情報提供をしたい」といった背景です。
採用に慣れている企業であれば、先に併願先で内定が出た場合、自社を辞退されてしまうリスクをわかっています。よって評価の良い候補者であれば、なんとか最終面接官の予定を抑えてスケジュールを調整する、といった対応をしてくれることもあります。
また、併願先との比較の中で迷っている、気になっているポイントがあれば、「当社はこうですよ」と情報提供をしてくれる場合もあります。他社の選考状況も正直に伝えるようにしましょう。
また、併願先があること自体で評価が下がることはありませんが、「併願先に一貫性がない」というジャッジになり、「本当は何をしたいのか」「志望動機は本音だったのか?」と疑念が生じることもあります。
全く違う軸で応募している併願先も、「実はまったく違うのですが、こういった観点でも検討していて、こういう会社も受けています」など枕詞を添えて伝えましょう。
残業に関する質問
残業についての質問は企業側も聞きにくいなと思っていることが多いです。
例えば、現在月の残業が20時間の人であれば40時間でも多いと感じるかもしれませんし、60時間以上の人からすると、40時間であれば少ないと感じるかもしれません。
「うちは残業が多いけど、大丈夫?」と聞かれたとき、抽象的に回答してしまうと、お互いにとって意味のない会話になってしまいます。
「今の会社は30時間程度なので、同等であれば問題ないと思います」
「今の会社は30時間程度ですが、新しい職種に転職するにあたり、覚悟はしております。配属先の皆様はどのくらいでしょうか」など、具体的な数字も出しながら会話をしましょう。
また、最終面接で役員や社長から聞かれる場合は、現場の残業時間までは細かく把握していない可能性もあり、純粋に意欲を確認する目的の場合もあります。
それまでの選考プロセスで十分にコミュニケーションがとれていれば、最終面接では「大丈夫です!」と印象の良い回答をするのが良いと思います。
逆質問で気を付けるべきポイント
逆質問では、「本当に当社に興味を持っているのか?」「真剣に働くことを検討した上での質問か?」という観点で質問の内容を聞いています。意欲確認にもつながるので、質問をしないということは避けましょう。
その上で、大切なポイントは「相手が誰であるか」です。
人事であれば、人事上のルールや、会社全体の働く人に関する様々なデータを知っています。入社をした場合に一緒に働く上司であれば、その部署の状況や業務内容を深く知っています。役員や社長は会社全体の中長期的な展望などは語れても、配属先部署の細かな業務内容までは把握していないこともあります。相手に合わせて何を聞くべきか、適切な質問を準備しましょう。
また、給与や条件のことばかりを質問してしまうと、条件重視だと思われてしまうこともあります。HPや求人票に書いてあるような情報の場合は、「そんなことも知らずに面接を受けたのか?」とマイナスになってしまう場合もあります。
面接官自身の考えや、HPや求人票を見て「もっと知りたい!」と思ったことを聞くことがベターです。
条件面は内定となった場合は書面で提示されますし、書面を見た上で後から質問することも可能です。聞きにくいことはまずはエージェントに相談してみましょう。
面接での話し方・伝え方のポイント
これまで面接の準備についてお伝えしてきましたが、実際に面接で話すときのポイントをお伝えします。
面接での回答は、端的にわかりやすく
面接はあくまでもコミュニケーションで、言葉のキャッチボールです。面接本番で大切なのは「準備したことをすべてその通りに話そうとしないこと」です。
「転職理由」「志望動機」「自己PR」など、ある程度想定される質問であっても、「一問一答」というよりは、自然な会話の中で自然と深堀りされることも多いです。
そのため、準備してきたことをすべて話そうと意気込み、長く話すぎるよりも、端的でわかりやすく、面接官の意図に沿った回答をすることが大切です。
回答に困ったら考える時間をもらう
面接官の質問に頭が真っ白になってしまった!という時には、正直に「緊張してしまって、
少し時間をもらってもいいですか」という一言や、「●●についての質問ですよね、ちょっと考える時間をもらってもいいですか」と考える時間をもらうようにしましょう。
時間をもらうことで自分でも落ち着きを取り戻せる場合があります。質問を繰り返すことで、面接官が質問の意図を補足してくれたりと助け船を出してくれる場合も。
自分の頭の中で準備ができてからお話して大丈夫です。
答えられる範囲で答える
質問の意図に合っているか、すべてに網羅的に回答できているか不安、という場合は「回答になっているかわかりませんが、●●だと思います」「質問の意図にお応えできているかわかりませんが、●●ではないでしょうか」と回答の前に一言付け加えましょう。
枕詞があることで、面接官もその回答を受け取り、回答した内容を深堀りして聞いてくれる可能性もあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
面接前の対策では、まず企業をよく知ること、そして自分自身との接点を探すことが大切であり、また用意したエピソードを初対面の第三者にしっかり伝えることが大切です。
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