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2024.10.31
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AIでなくなる仕事って?将来なくならない仕事・今すべき対策を解説
最近よく目にする、「AIに仕事を奪われる!」「AIでなくなる仕事ランキング」「AIが生まれても生き残る仕事ランキング」といった記事に不安を抱えている方もいらっしゃるのではないのでしょうか。
MUSUBUに転職相談にお越しいただく方の中にも、「自分の仕事は将来なくなってしまうかもしれない」「営業をしているがネットで購入できるようになれば営業はいらなくなるかもしれない」という不安を抱えている方もいらっしゃいます。
しかし、時代の変化や技術の進化で特定の業種が縮小することや、特定の職種の仕事がなくなることは今に始まったことではありません。いつの時代も縮小する業種や職種はあります。社会人人生は40年以上と長く、当然、時代も大きく変わっていきます。
今回は、そんな大きく変化する時代の中で、AIが発展する将来のために「今すべきことは何か」ご紹介します。
目次
AIに関わらず、いつの時代もなくなる仕事はある
過去、技術の進化によりなくなった仕事
みなさんは、「電話交換手」という仕事をご存じでしょうか?古い映画やドラマが好きな方は、かかってきた電話を確認し、プラグを差し替えるシーンを見たことがあるかもしれません。1890年代、電話機が発明された初期は、AさんがBさんに電話をかけると、AさんとBさんの家の電話機の電話線を物理的につながなければいけないため、たくさんの交換手さんが待機して電話線をつないでいました。
当然、今は技術の進化でスマホから電話をかければすぐに相手につながります。みなさんは「電話交換手」を仕事にしている人と出会ったことがないはずです。
また、みなさんは普段電車に乗るとき、「Suica」などICカードをかざして改札を通っている方が多いかと思います。実は過去は通勤ラッシュの中、改札のひとつひとつに駅員さんが立っていて、「切符を切る」仕事をしていたことをご存じでしょうか?
乗車した区間と料金を駅員さんが目で確認した上で切符を切っていました。この「切符を切る」仕事も、自動改札機の登場で今ではほとんど見かけません。
このように、時代の変化や技術の進化で「仕事・職業がなくなる」という事象は、AI・人工知能の登場や今に始まったことではないのです。
個人だけでなく、企業も時代に合わせた変化が必要
私たちの生きる現代は、「AI」の登場という要因に限らず、変化が大きく、変化するスピードも速い時代です。変化の大きい時代の中では、個人の働きだけでなく、企業の事業も変化していくことが求められます。
イメージしやすい業界では、「レンタルビデオ屋さんでのビデオ・DVDレンタルサービス」がNetflixなど「オンライン配信サービス」に代替されたことではないでしょうか。
オンライン配信サービスの登場により、レンタルビデオ屋さんに足を運んでDVDをレンタルし、鑑賞後は期限内に返却しに行くという手間がなくなり、いつでもどこでも「月額費用」で何作品でも見放題になり利便性が格段に向上しました。
その他にも、たとえば「カフェ」のライバルが「コンビニのコーヒー」になる、これまで「余暇の時間」を家庭用ゲーム機で楽しんでいた人が「スマートフォンのゲーム」に時間を費やしている、など、「ライバル」「同業界」と認識していなかった企業にシェアが奪われている事例はこれまでも多数あります。
現段階では新車販売数には大きな影響は出ていないものの、「カーシェア」も自動車の新車販売台数のシェアを奪うかもしれません。
「若者の免許取得率の低下」「高齢者の免許返納」という社会的背景もあり、カーシェア以外にも「ライドシェア」「タクシー」「LUUP」「レンタル自転車」「地域の循環バス」なども「自動車業界」のライバルになる可能性はあります。
私たち人材業界でも、採用手法として「求人広告」が当たり前の時代から、誰でも「転職エージェント」を気軽に利用できる時代になりました。さらには「ダイレクトリクルーティング」で企業から直接スカウトが来る時代になり、「同業界ではあるが、少し毛色の違うサービス」が登場し、求人企業や転職希望者のシェアを奪い合っています。私たちMUSUBUも、「同業の転職エージェント」だけをライバルだと思っていると、他のサービスにシェアを奪われてしまうかもしれないのです。
働く「個人」だけでなく、「企業」にも時代の流れを捉え、変化していくことが求められること、そしてそれは避けられないことであることがわかりますね。
私たちの生きる現代は、「AI」の登場という要因に限らず、こうしたビジネス構造の変化にも影響を受ける可能性があることは知っておきましょう。
AIとは何か?まずはAIについて知ろう
「AIに仕事を奪われるかもしれない」と考える一方で、みなさんは普段、どの程度「AIが使われているサービス」に触れ、活用していますか。また、AIがどのような仕組みや特徴を持った技術であるか、ご存じでしょうか。
ITのエンジニアではない私たちにとって、「AI」はわかりにくいものです。そして「わからないもの」「得体の知れないもの」は不安を生み出します。
「AIに仕事を奪われるかも」と心配になる前に、「AIとはどういうものか」「AIを使ってみる」など「AI」を知ってみることもおすすめです。
AIにできることを知り、AIに対する不安を削減しよう
文脈の理解力の高さで話題になった「ChatGPT」は一度触ってみた方も多いのではないでしょうか。他にも、AIがシチュエーションやお題を伝えると絵を書いてくれるサービスや、AIと雑談もできるアプリケーションなど、さまざまなサービスがありますね。
AIの仕組みは素人には理解は難しく、この記事でも専門的な記載は控えますが、簡単に言うと、人間のように新しい知識を自ら学習する知能を持っているコンピュータのことです。
ネット検索でも検索した内容をAIが回答してくれる機能があります。「ネット上にある大量のテキストデータ」を分析し、AIのアルゴリズムが「アクセス数が多い、複数サイトに同じ情報が載っているなどの理由から、これが回答なのだろう」と判断し、文章を生成・回答してくれていますよね。
AIは”確からしい回答”を一定の判断軸で予測していますが、そもそもネット上の情報が間違いだらけであれば、AIには本当の意味で「正しいか」「間違っているか」は判断できません。自分以外も含め、多くの人が同じAIサービスを使い込めば使い込むほど、「こういうときはこういう対応」と学習していきます。
データもテキスト(文字)データとは限らず、画像データや音声データなどが分析されています。
過去に蓄積されたデータから最適解を出すことや、人間では検討しきれないような膨大なデータから共通項、関連性を見出して答えを出すことはAIの得意分野なのではないでしょうか。
一方で、「ゼロベースで全く新しいアイディアを出す」「問題の把握・課題設定を行う」「意思決定をする」といったことがAIにできるのはまだまだ先になりそうです。
仕事上で、「この課題に取り組むべき」と決める場面では、課題を特定するためにはAIが使えるかもしれませんが、AIに特定を指示するための「問い立て」を行うのは人間です。
みなさんも、少し気になるサービスから使ってみることで、AIは「こういう対応は得意なんだな」「こういう回答をしてくれるのか」「逆にこれはまだできないのか」と気付くことがあるかもしれません。実態を理解することで、「わからない」ものに対する不安は少し減るのではないでしょうか。
AIに奪われる仕事・残る仕事
AIの研究者や大手人材会社などが、「AIに奪われない仕事・奪われる仕事」などの情報を出していますが、本当にその情報が正しいかどうかは未来にならないと誰にもわかりません。
たとえば、「カウンセラー」はAIに奪われない仕事として挙げられていることも多いですが、直近での「AIと雑談ができるサービス」では話し方もかなり自然になってきており、「人間の話の内容の理解」や「洞察力」も精度が上がっていく可能性はあるので、絶対に奪われないとは言い切れないかもしれません。
「医者」もAIに奪われない仕事だと言われていますが、AIに頼り、精度の高い「診断」ができるかもしれませんし、「治療方針の策定」も医者が個人で経験するより膨大な数の症例データを分析することで、精度の高い方針をAIが策定できるようになるかもしれません。治療のための医療機器もAIが活用されたものがすでに出てきています。
「農機のオペレーター」もAIに奪われないと言われていますが、
たとえば、
↓
ドローン空撮や衛星画像などの農地データを地図データのように活用し、
どのようなルートで作業すべきか最適なルートを判定
↓
自動運転の農機が作業を行う
といった未来もあり得ないとは言い切れないのではないでしょうか。
AIの技術は、この1年、2年で驚くほど大きく進化しています。
一方で、ビジネスの場面にその「技術」がすぐ実装されるのかという論点もあります。ひとつの製品を「開発する」ことと「量産する」ことが違うように、ひとつの事例で上手くいったからと言ってすべての現場で上手くAIが活用できるとも限りません。
また、今までやっていた業務プロセスをAIに代替することがコスト的に見合うか、といった観点からも、すぐに「AIでできるからAIに」となるとは限りません。
このような観点を踏まえても、AIの活用について「いつ技術的に可能になるか」「いつビジネスの現場に導入されるか」確定的なことは誰にもわかりません。
AIによって生まれる仕事
AIが発展することは、「人間が仕事を奪われる」というマイナスな側面ばかりというわけでもありません。
現在日本でも生まれているAI関連のサービスは、AIを活用することでより良いサービスが生まれるからこそ、開発に取り組んでいるはずです。
みなさんが今日手にしている商品は、AIが需要予測をして、店舗のスタッフさんが仕入れてくれたからこそ、売り切れることなく適正な価格で手に入った商品かもしれません。
あなたが最近ECサイトで購入した商品は、AIがあなたに似た属性の方の消費行動を分析し、レコメンドしてあなたのスマートフォンに表示させたアイテムかもしれません。
AIのおかげで、満足できる買い物ができているかもしれません。
新しいAIビジネスが立ち上がれば、そこに雇用・労働市場が生まれる可能性もあります。AIのサービスを運用していくためにも人材は必要なので、新しい仕事、新しい雇用が生まれる可能性もあります。
また、これまでやっていた「めんどくさい作業」「繰り返しの業務」をAIに任せて人間は楽をできる可能性もあります。AIに任せて生まれた時間で新たな価値を発揮できるかもしれません。
実際にこれまでも、「紙での業務」が「パソコンでの業務」に代わり、「郵送やFAX」が「Eメールやチャット」に代わってきた歴史を見ても、新しい技術の誕生は仕事の生産性を飛躍的に向上させます。数年かかっていた商品開発が1年でできるようになるかもしれません。
AIの誕生は「仕事が奪われる」という側面だけでなく、歓迎されるべき側面も当然あります。
AIに奪われない仕事を探すのではなく、AIを上手く活用する
将来AIに奪われない仕事を調べて避けたとしても、それが本当に正しいかどうかはわからず、AIに奪われない仕事と言われていても、実際にはAIに奪われてしまう可能性があります。
不安になって、無理やり「AIに奪われない仕事」「将来なくならない仕事」を探そう、就職しよう、と考えるよりも、AIが入ってきたときに上手く活用できる自分でいようという姿勢が大切なのではないでしょうか。
今できること、身に付けるべきスキル3選
みなさんは現在、具体的に「今自分が取り組んでいるこの業務はAIに替わってしまうのではないか」と懸念していることはありますか?そしてそれが「AIに替わってしまう」と自分は解雇になってしまいそうでしょうか。
おそらくまだ、仕事がなくなってしまう段階ではないと思います。今の段階でやるべきことは、今の業務でしっかりとスキルを身に付けることではないでしょうか。
1.将来の不安よりも、目の前の成果を追う
10年後、20年後どころか3年後、5年後、AIがどの程度進化しているか正しいことは誰にもわかりません。
予測不能な将来の自分について今考えても、できることは限られます。また、自分なりに予測してみた「将来の想定」が実際と大きく外れた場合、全く意味のない心配をして、全く意味のない努力していた、という結果になるかもしれません。
10年後の心配をするよりも、今自分にできることに集中し、確実な経験を積み重ねて行く方が、未来には良い結果が待っているのではないでしょうか。
今の職場で、あなたは上司や同僚から信頼をされていますか?
お客様や関係者に対し、貢献ができていますか?
自分の役割を果たし、出すべき成果を出していますか?
人間は何もせず、あれこれと考えているときが一番不安になりやすく、「行動」をしているときは不安になりにくいです。今、目の前のことをがんばることは「将来の不安」をなくすことにつながります。
どうしても不安が大きく目の前のことに集中ができず、未来の不安にもやもやするのであれば、一度転職活動をしてみることもおすすめです。転職活動も「行動」なので、行動をしているうちにわかること、見えるものがあり、「将来の不安」がなくなるかもしれません。
20代特化の転職エージェント MUSUBU
2.転職や異動をしても活かせる、ポータブルスキルを身に付ける
今の仕事に集中して頑張る選択をする場合、おすすめしたいのが「ポータブルスキル」を身に付けることです。
「ポータブルスキル」とは、異動や転職で仕事が変わっても持ち運べるスキルです。たとえば、「人を巻き込む力」「関係構築力」「業務を推進する能力」「計画を立てる力」「思考力・企画力」など、職場が変わっても必要とされる能力です。一方で、「専門スキル」はその業界にいるからこそ身に付くスキルを指します。
強みを聞かれたとき、専門スキルである「不動産業界の知識です」と答える人よりも、ポータブルスキルである「様々な立場の関係者と良好な関係を築き建設的にコミュニケーションをとり業務を進められることです」と答えられる人の方が、変化の大きい時代の中では、活躍しやすくなります。
「専門スキル」は仕事上の評価でも転職活動でも、専門性の高さや知識が評価される側面はあります。
一方で、大きな技術革新やその業界の常識・構造に大きな変化が起きた場合、一気に必要がなくなる可能性もあります。AIの登場で、専門知識がない人でも一瞬でその知識にアクセスできる状態になり、専門知識が重宝されなくなる可能性もあります。
たとえば、「医者」の例であれば、症例に関する知識や治療方針に関する知識は今後AIで補完できるかもしれません。一方で、「問診で患者さんのこれまでの症状の経緯を安心して話してもらい、なるべく正確に把握すること」や「治療方針に納得して患者さんに真剣に取り組んでもらえるような対応をすること」は人間であるお医者さんにしかできないのではないでしょうか。
もう少し一般的な例でお話すると、たとえば「不動産、新築マンションの営業」であれば、「この地域の周辺情報」「マンション建築に関する知識」といった知識よりも、「お客様のニーズを把握して、個別のニーズに対してマンションを買うメリットを訴求できる力」や「対峙するご家族の中で誰に意思決定権があるかを理解し、スムーズに購入を決定してもらえるようなコミュニケーションをとる力」などの方が、人間だからこそできる仕事であり、将来、業界や仕事が変わったとしても応用の利くスキルだと言えるのではないでしょうか。
「ポータブルスキル」は、転職の時はもちろん、AIの登場など技術革新で業界構造が大きく変化するタイミング、仕事で重視される業務が大きく変化するタイミングでも活用しやすいスキルです。
今の業務に取り組む中で、「自分の今の仕事で磨かれているポータブルスキルはなんだろう?」と一度考えてみると良いかもしれません。
3.新しいものに対する柔軟性、変化への対応力や学習意欲を磨く
「変わるかもしれない不安」よりも、「今目の前で着実に変わっていっているもの」に目を向け、「変化を捉えること」が大切です。
そして、「自分の強みや今持っているスキル」に目を向け、「変化」に対してどう対応すべきか考え、「強み・スキル」を応用・活用してみること、さらに新しい変化に対し必要になった知識やスキルを積極的に身に付け、学習しようとする姿勢がより重要になってきます。
安易に「これをやっておけば大丈夫」「この仕事だったらAIに奪われないから大丈夫」と安心して、変わらなくても大丈夫な場所に身を置くよりも、変化を前向きに捉え、積極的に受け入れていく姿勢を持つことの方が、将来何があっても安心なのではないでしょうか。
時代の変化や仕事の変化、環境の変化を怖がるのではなく、受け入れることができる柔軟性や変化に前向きに対応できる姿勢を、日常の小さなところから取り入れてみることをおすすめします。
今の私たちの当たり前である「スマートフォン」も、20年前の日本では誰も持っていませんでした。私たちがこれから働くことになる、20年、30年後の当たり前がどうなっているかは現時点では誰にもわかりません。変化は当然あるものという前提に立ち、受け入れ、「変化への対応力」を常に磨いておきましょう。
将来を考え不安になってAIの記事を読むことよりも、自分が今できることに集中し、スキルを磨くことが、未来の自分の安心につながるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
AIについては技術的にも将来の可能性としてもわからないことも多く、様々な情報に触れる中で、不安に思う方もいるかもしれません。
実際に働いている中で、自分の仕事は将来なくなってしまうのではないか?と不安に感じる場面もあるかと思います。
なんとなく不安、と感じた時は、具体的にどんな事象に対して、何を不安に思うのか、一度整理をしてみて、「何か行動ができないか」と考え、行動をしてみてはいかがでしょうか。
一度、他の業界でも自分の力は生きるのかを知りたい、転職活動をしてみて不安をなくしたい、という方は、ぜひキャリアアドバイザーにご相談ください。
「ポータブルスキル」の中でも、今の自分の仕事で磨いてきたもの、磨ける余地のあるものは何かしっかり自己分析したい、という方もぜひキャリアアドバイザーにご相談ください。